金銭借入,動産不動産取引等の契約 | 会社設立・許認可・経営支援フォーラム

金銭借入,動産不動産取引等の契約

1.金銭の借入・間接回収・権利保全で使われる契約

資金の調達・金銭の貸借の契約として,一般に金銭消費貸借契約が使われています。またこの契約と切り離せないのが担保権の設定契約です。

担保とは、取引先の資産状態が悪化して代金が支払われない場合に備えて設定されるものです。不動産・動産に対して抵当権や質権や譲渡担保権を設定しておくことです。これにより、他の債権者に優先して債権を回収することができます。継続的取引において必要性が高いのが、根抵当権設定契約でしょう。

債権を直接回収する他に、投下資金を間接的に回収する方法をとして、債権譲渡契約、相殺契約等があります。

1. 金銭消費貸借契約
消費貸借契約の成立には当事者の合意だけでは足りず、目的物の交付が必要ですので、弁済方法等のほかに、借主が目的物(金銭)を受領したことをも明記することが必要です。金銭返済の義務に関して「公正証書」を作成する際には、債務不履行の場合に備え、執行認諾文言を入れると執行が容易です。なお、会社が取締役の債務を保証するには、利益相反取引として、取締役会又は株主総会の承認が必要です。

2. 債権譲渡契約
債権譲渡とは、債権の同一性を維持したままで債権を他に譲渡することです。有償契約ですので民法の瑕疵担保責任の適用があります。債権譲渡を債務者その他の第三者に対抗するには、譲渡人から債務者に対しての通知または債務者の承諾があることが必要です。債務者以外の第三者に対抗するには、とくにこの通知・承諾が確定日付ある証書による必要があります。「内容証明郵便」がもっとも多く利用されています。

3.担保権の設定で使われる契約

(1) 質権設定契約(2) 抵当権設定契約(3 )動産譲渡担保契約
質権とは、物を預けることで金銭を貸してもらえる権利です。債権者と債務者(設定者)との契約によってなされます。
質権は、譲渡可能なものであれば、動産、不動産、債権、株式などに幅広く設定できるのが特徴です。
債権質としては、建物賃貸借に敷金・保証金の質権設定契約があります。
株式の場合、譲渡制限があっても、株式の質入自体は「株式の譲渡」にあたりませんので、質入時に、取締役会等の承認を得る必要はありません。
金銭債権を担保するため不動産に設定する物的担保の代表的な契約です。借主として土地建物を引き続き利用可能です。
貸主が抵当権の設定を第三者に対抗するためには、登記する必要があります。この順位で優先的に弁済を受けることができます。
不動産は債務者所有のほか、債務者以外の第三者の所有物の上にも設定可能です(物上保証人)。
根(ね)抵当権設定契約は不特定の債権を一定範囲の限度額まで担保するものとして設定する形式です。
所有権は貸主に移転させるが、動産は債務者のもとに留めておく(占有改定)合意で、貸金の担保とする契約です。
差入れ可能な担保が、例えば自社の機械だけの場合、これを質権の対象にすると仕事ができなくなり返済どころではなくなります。そのような不都合を回避してニーズに応じるため実務上行われています。
その担保動産に標識等を付して所有者が誰であるかを明示します。
 

2.商取引で使われる基本契約・動産の賃貸借

売買契約のその売買は、一回限りの取引もありますが、商取引では、取引先と継続的に続けるのが一般的です。継続取引を想定しているのが、「取引基本契約」です。その他、動産の賃貸借としてリース契約等がよく使われています。

1. 取引基本契約  継続的に商品・製品を販売しようとする場合、すべての契約に共通する基本事項を定めておくのがこの取引基本契約です。
個々の契約は、この基本事項の枠内において、注文(注文書)と承諾(納品書・請書)等によって運用していくという方式です。取引基本契約は支払い条件・商品に欠陥があった場合の瑕疵担保責任・契約期間・強制執行認諾文言付き公正証書作成同意等です。

2. 売買契約  民法の条文上、売買契約の目的物の所有権は、特定物売買の場合は契約の時に所有権が移転し、不特定物の場合は特定した時に移転します。
すると、代金支払が完了する前に、目的物の所有権が売主から買主へ移転することになります。こんなとき、もし買主が支払不能になると、売主には酷なことになります。そこで、売買契約において、目的物の所有権の移転時期は、代金完済の時等と取り決めたりします。つまり完済まで所有権を売主に留保させたりする等当事者の意思を文面に表していきます。

3. ファイナンスリース契約 (cf.オペレーティングリース)
ファイナンスリース契約は、貸主がリース物件を購入して、借主に貸与し、借主からリース料を受領する契約です。
借主は自ら購入するよりも少ない資金で機械を使用することができ、またリース料を経費に計上できるメリットもあります。この契約では貸主がリース物件を購入する際に投下した資本の回収を確保するため、期間途中での中途解約を認めないのが通常です。

3.不動産取引で使われる契約

売買と賃貸借が重要な取引です。不動産売買契約については、借地権付土地、借地権付建物の売買契約もあり、
不動産賃貸借契約においては、借地借家法に規定されている借地権、借家権の意味が大切です。近年、通常の賃貸借契約よりも、貸す側に有利な条件を定めた定期借地権、定期借家権が活用されるようになってきました。契約を締結したら長期になりますので、契約の際には借主、貸主双方は、使用目的、契約期間、フロア面積、敷金・保証金の金額を入念にチュックしておく必要があります。 
1.土地売買契約2.借地権付建物売買契約3.区分所有権売買契約
更地なら問題ないのですが、土地には借地権の制限が付着している場合には、賃貸人たる地位の承継を伴う売買契約になります。土地所有権の移転により買主は土地の賃貸人の地位を承継します。借地権の価格は土地の価格の6~8割程度、底地価格は2~4割程しかないのが一般的です。土地がどんな借地権によって制限されているかは重要です。その内容は十分把握して明記すべきです。建物の所有権を取得しても、敷地の利用権がなければ、土地所有者から建物撤去・土地明け渡しを請求されます。借地上の建物を買い取るには、基本的に敷地利用権も共に買い取る必要があります。主な敷地利用権は賃借権・地上権です。分譲マンションが区分所有建物の代表。建物の独立した各部分について別個の所有権が成立しているならば区分所有建物となります。
建物の独立した各部分は「専有部分」と呼ばれ,専有部分の売買等の処分は基本的に敷地権と分離して処分は出来ない。敷地権とは、所有権又は借地権(地上権または賃借権)のことです。
4.事業用借地権設定の合意5.定期借地権設定契約6.定期建物賃貸契約
事業用借地権とは、期間満了後の契約の更新がなく、賃借人の建物買取請求も排除できる借地権です。
居住用建物賃貸事業を目的にはできず、必ず「専ら事業の用に供する建物の所有を目的」とする場合に設定するものです。契約期間は10年以上20年以下であることが必要です。
借地人の権利に大きな制限を課す契約なので必ず公正証書による必要があります。
定期借地権は、契約の更新、建物再築による存続期間の延長がなく、賃借人からの建物買取請求も排除できます。契約期間は50年以上であることが必要です。
借地人の権利に大きな制限を課す契約なので公正証書等の書面による契約をする必要があります。
定期建物賃貸契約は、契約期間の満了により更新されることなく確定的に契約が終了する借家契約を認めるもので、借家人に厳しい内容です。この契約を締結するには、その旨を明示するため、原則として公正証書等の書面のよる必要があります。口頭の契約は効力がありません。
7.駐車場使用契約8.事務所(店舗)の賃貸
駐車場賃貸借契約、資材置場賃貸借契約は、建物所有を目的とするものではないので、借地借家法の適用はありません。賃貸人の解約申し入れに正当事由は不要で、契約条項ないし民法(第167条)により解約申し入れできます。事務所や店舗としての賃貸借も、それが独立した区画の賃貸という要素が強い場合には、建物の賃貸借として借地借家法の適用はあります。ですから、賃貸人の解約申し入れには正当事由は必要です。

 

 

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