営業許認可と再編 | 会社設立・許認可・経営支援フォーラム

営業許認可と再編

行政官庁の行政上の許認可

行政官庁の規制は、主にそれぞれの業種特有の公衆の安全維持または環境維持にかかるものなので、その新規申請の方法はその許可・認可・登録等さまざまです。したがって、合併、分割、事業譲渡等の組織再編におけるチェックも様々です。

営業許認可との関連

営業許認可との関連

会社分割に関する商法とか会社法という法律は、民間対民間、私人対私人の水平の関係を規律するものです。しかしその他にお上との法律関係があります。それが行政法規であり民間を取り締まっている行政官庁です。多くの企業が、役所から許可、承認、登録等のお墨付きをもらわなければ事業が出来ないような法的仕組みになっています。

そのような許認可業種の場合は、会社分割等の組織再編を既に終えたのにも関らず、もし承継会社が許認可を得られる見込みが無ければ、会社法上で再編しても意味の無いことなります。 とくに事業開始に莫大な設備投資をする事業では切実です。したがって許認可の必要な事業を承継会社にスムーズに承継できれば、承継会社の株式等の売却で投資資金の回収が迅速にもなりえます。また逆に、その事業に新規参入しようとする企業にとっても、その事業から撤退する企業から、「株式と同時に行政上の許認可」を承継できれば負担の多い新規投資を避けられるかも知れません。

ここでは、簡単に許認可業種における組織再編における行政の対応として、

  1. 許認可の承継を認めない型
  2. 承継に許認可を要する型
  3. 届出るだけで承継できる型

をあげますが、このようにパターンが分かれるのは、(1)個人の相続、企業の合併(総合包括承継)と異なって会社分割は、包括承継でありながらも、特定包括承継であるからです。つまり、会社分割においては、あの事業は承継するが、この事業は承継しないという選択ができるからなのです。よって、役所としては最低、分割会社の許認可を得ていた事業を承継するのか否か調査する必要があるでしょう。

(2)さらに承継会社が許認可事業を承継したとしても、分割前の会社と同様に、許認可の前提となる条件を備えているのか否かの問題があります。確かに、行政としても公衆の安全とあまり関係ない形式的なものならフリーパスでいいでしょうが、新規許認可申請時、その事業を開始した個人・企業に対しては、役員に前科がないか、一定の資格を取得しているか等の厳しい条件の下、また一定水準を超える設備投資をしたかを、役所は時間をかけて調査審査したのに、会社分割にあたり承継会社にも同等の役員、設備があるかを検査しないで、自動的に承認することはしないことも充分考えられることです。

要は、その許認可がどの程度、公衆の安全や公の利益にかなっているのかによって異なってくるのでしょう。改めて、行政の対応3種に相当する事業を挙げておきます。

1.許認可の承継を認めない類型

  • 建設業
  • 旅行業?~登録?
  • 宅地建物取引業
  • 貸金業
  • 温泉利用許可

2.承継に許認可を要する類型

~条文上文言がなくても予めもらっておいた方がよい。

  • 一般・産業廃棄物処理業~認可
  • 一般旅客定期航路事業~国土交通大臣の認可
  • ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業  ~先立って知事の承認
  • 一般貨物自動車運送事業~国土交通大臣の認可
  • 一般旅客自動車運送事業~国土交通大臣の認可
  • 信託業~内閣総理大臣の認可

3.届け出るだけで承継できる類型

~事後○日以内という規定

  • 船舶内で生じる廃油の処理事業~遅滞なく国土交通大臣に届出
  • 登録ホテル業者~
  • 貨物利用運送事業~承継の30日以内に国土交通大臣に届出
  • 特定貨物自動車運送事業~
  • 貨物軽自動車運送事業~
  • 自動車分解整備事業者~30日以内に地方運輸局長に届出
  • 理容業・美容業~遅滞なく知事の届出
  • 証券業?~30日以内に内閣総理大臣に届出?
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